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介護保険の手続きの方法は?利用までの流れを詳しく解説!

介護保険とは、介護を必要とする高齢者などに介護を提供する公的な保険制度です。

介護保険を申請し要介護度の認定を受けると、様々な介護サービスを受けられます。

しかし、「介護保険の手続きの方法がわからない」というかたもいるのではないでしょうか。

本記事では、介護保険の手続きの方法について詳しく解説します。

利用するまでの流れについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

介護保険の手続きの方法

介護保険は方法さえ理解すれば、簡単に認定を受けられます。

介護保険の手続きの方法は以下のとおりです。

要介護認定を受けるまでの方法
  1. 介護保険を申請する
  2. 認定調査を受ける
  3. 審査判定を待つ
  4. 認定結果の通知を受ける

以上の手続きを詳しく解説するので、介護保険を受ける際の参考にしてください。

介護保険を申請する方法

介護保険は、市町村の窓口に必要書類を提出すると、申請できます。

窓口の名前は、市町村ごとに違います。

窓口の名前がわからないときには、インターネットで調べるか、地位域包括支援センターに聞きましょう。

地域包括支援センターは、高齢者や家族が直面する問題に対してサポートしてくれます。

介護保険に関して疑問がある際には、地域包括支援センターに相談すると良いでしょう。

介護保険を利用できる人

介護保険を利用できる人は、第一号保険者と第二号保険者に分けられます。

年齢介護保険を利用する条件
第一号保険者65歳以上食事や排泄など日常生活における基本的動作に介護が必要(要介護状態)、または家事や買い物などに支援がいる状態(要支援状態)。
第二号保険者40〜64歳要介護・要支援状態にあり、特定疾病と診断された人

特定疾病とは、加齢によって生じる16種類の疾患を指します。

特定疾病
  • 末期がん
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靭帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 初老期における認知症
  • パーキンソン病関連疾患
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節、または股関節の変形性関節症

日常生活で、なんらかの介護や支援が必要になった際には、介護保険の申請を検討してみましょう。

介護保険を申請できる人

窓口にて介護保険の申請ができる人は以下のとおりです。

介護保険を申請できる人
  • 本人
  • 家族(親族)
  • 地域包括ケアセンターのスタッフ
  • 居宅介護事業所のスタッフ
  • 介護施設のスタッフ

本人以外が代理で申請する際には、委任状と代理で申請する人の身分証明書(運転免許など)が必要です。

本人や家族での申請が困難な場合でも、地域包括ケアセンターのスタッフに申請を代行してもらえます。

本人や家族が申請できない時には、地域包括支援センターに相談しましょう。 

介護保険の申請に必要なもの

介護保険の申請には以下のものが必要です。

介護保険の申請に必要なもの
  • 申請書
  • 介護保険被保険者証(65歳以上の場合)
  • 健康保険証(40〜64歳の場合)
  • マイナンバーカード、または通知書
  • 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)

申請書は窓口で受け取るか、インターネット上で印刷できます。

申請書には、名前や生年月日などの基本的な情報のほかに、主治医に関する情報の記載が必要です。

窓口にて申請書を記載する際には、主治医の名前や医療機関名、医療機関の住所や連絡先が分かるようにしておきましょう。

認定調査とは

認定調査とは、申請後に実施される聞き取り調査です。

認定調査員が自宅などに訪問し、本人や家族に聞き取り調査や動作確認を実施します。

本人が入院している場合、病院で認定調査が受けられます。

認定調査で聞かれる内容は以下のとおりです。

分類聞かれる内容
身体機能・起居動作
  • 麻痺や拘縮の有無
  • 寝返りや起居の状況
  • 座位や立位の状況
  • 立ち上がりや歩行の状況
  • 片足立ちができるか
  • 洗身や爪切りができるか
  • 視力や聴力
生活機能
  • 移乗や移動の状況
  • 食事摂取や、食事の際のむせの状況
  • 排便、排尿の状況
  • 口腔清潔や洗顔、整髪の状況
  • 服の着脱の状況
  • 外出頻度
認知機能
  • 意思伝達ができるか
  • 日課を把握しているか
  • 短期記憶の状況
  • 場所や日付、季節がわかるか
  • 自分の名前や生年月日が言えるか
  • 徘徊はあるか
精神・行動障害
  • 物盗られや作話はあるか
  • 感情は安定しているか
  • ひどい物忘れはあるか
  • 昼夜逆転はあるか
  • 介護抵抗はあるか
  • 作話や意味のない独り言はないか
  • 話がまとまらなかったり、同じ話を何度もしたりしないか
  • 大声を出したりしないか
  • 自分勝手な行動は多くないか
社会生活への適応
  • 薬の内服や金銭管理はできるか
  • 自分で意思決定できるか
  • 買い物や調理はできるか
  • 集団に適応できるか
過去14日間にうけた特別な医療
  • 点滴や透析などの医療行為は必要か

認定調査の調査項目は、全国で共通です。

実際の調査項目については、以下のリンクを参照してください。

認定調査表(概況調査)(出典:厚生労働省)

認定調査の際には、事前に認定調査表(概況調査)をみて、ある程度答えることを考えておくと良いでしょう。

認定調査の日程

認定調査は、本人や家族が希望する日程で実施できます。

介護保険の申請をすると、電話にて調査員から、認定調査の日程の連絡があります。

認定調査には、30分から1時間程度の時間が必要です。

調査員から電話があった際には、時間がとれる日付を調査員に伝えるようにしましょう。

認定調査は、平日の日中しかできないケースが多いです。

土日や遅い時間に対応してくれるケースもあるため、平日の日中の対応が難しい時には相談しましょう。

認定調査の秘訣

以下の秘訣を踏まえて、認定調査を受けるようにしましょう。

認定調査の秘訣

  • 家族も立ち会う
  • 現在の状況を正確に伝える
  • 困っていることや、不安なことがあれば伝える

認定調査では、本人の状況を正確かつ詳細に伝えるのが重要です。

そのためにも、家族も同席して、現在の状況を正確に伝えるように心掛けましょう。

本人だけでは、取り繕ったりして、正確に状況が伝わらないことが多くあります。

調査項目以外にも、困っている点や不安な点があれば、積極的に伝えるのも大切です。

審査判定とは

介護保険の審査判定は、一次判定と二次判定に別れています。

一次判定
  • コンピューターによる判定
  • 介護にかかる時間で判定が行われる
  • 客観的な判定が可能
二次判定
  • 介護認定審査会で最終的な認定を実施
  • 一次判定と主治医意見書をもとに判定する
  • 介護認定審査会は5名程度の学識有識者によって構成

一次判定と二次判定を経て、「非該当」「要支援1〜2」「要介護1〜5」のいずれかに分類されます。

認定結果の通知について

審査判定にて要介護認定が行われると、認定結果が郵送にて通知されます。

認定結果の通知は、介護保険の申請をしてから原則30日以内に届きます。

認定の通知が遅れる際には、遅れる理由と見込み期間を通知しなければいけません。

もし、30日を超えても認定結果の通知が届かない際には、市町村に問い合わせてください。

介護保険の申請をしてから認定が出るまでには、ある程度の期間が必要なので、介護保険の申請はできるだけ早く行うようにしましょう。

介護保険の認定からサービス利用までの方法

介護保険の認定を受けただけでは、介護保険のサービスは利用できません。

介護保険のサービスを受けるためには、ケアプランを作成して、市町村に提出する必要があります。

ケアプランとは、介護保険サービスを効率的に利用するためのサポート計画です

ケアプランを作成する場所は、認定が要支援か要介護かで異なります。

状況ケアプランを作成してもらう場所
要支援地域包括支援センター
要介護自宅でサービスを利用する場合居宅介護事業所
施設に入所する場合入所する施設

ケアプランは、それぞれの事業所や施設のケアマネージャーと相談しながら作成します。

ケプランを作成する際には、必ず希望などをケアマネージャーに伝えるようにしましょう。

介護保険は方法さえわかれば簡単に手続きができる

介護保険は方法さえわかれば簡単に手続きができます。

要介護度の認定がされるまでの手続きの方法は以下のとおりです。

要介護度の認定を受けるまでの方法
  1. 介護保険を申請する
  2. 認定調査を受ける
  3. 審査判定を待つ
  4. 認定結果の通知を受ける

介護保険のサービスを受けるためには、要介護度の認定を受けた後に、ケアプランを作成してもらう必要もあります。

本記事を参考にして、不安なく介護保険の手続きをしてください。